空港グランドスタッフの会社

しくみ

グランドスタッフになるためには、いくつかの方法があります。

航空会社に入社する(社員・契約社員・パート・アルバイト)
②航空会社のグランドスタッフ用のグループ会社に入社する(社員・契約社員・パート・アルバイト)
③地方のグランドスタッフの用のハンドリング会社に入社する(社員・パート)
④グランドスタッフ業務を取り扱っている派遣会社に入る(派遣社員)

同じ航空会社の制服」でも、実はそれぞれ違う会社に属していたり、
同じ航空会社の制服」でも、空港によって会社が違っていたり、
同じグランドスタッフの仕事内容」でも、雇用形態や時給が違っていたり、
同じ航空会社」でも、航空会社の制服ではない人(違う制服の人)がいたり、

同じ「グランドスタッフ」でも、それぞれ「会社」や「雇用形態」が違っていることが多く、複雑になっています。

就職活動は、航空会社ごと・空港ごと・担当部署ごと・雇用形態ごと…

就職活動中の方は、どのような仕組みか理解しておきましょう。

通常、一般企業では、入りたい会社を選択して各社の履歴書を準備するでしょう。おおむね「本社」で募集が出され、募集の時点では「企画・製品管理」「営業」「総務・人事」程度は分かれて募集されることもありますが、「どの支店」の「どの部署」の「何課」に配属になるか入社後に振り分けられます。(大企業の場合は事前に、九州・関西・関東と、大まかに区分して募集が出ることもあるでしょう。)

航空会社の就職活動の場合は、ちょっと独特です。
入る前から、会社や勤務空港や仕事内容など、ある程度既に絞って、それぞれに応募をしなくてはなりません。
航空会社を一般企業で例に挙げると、本社は本社だけの募集が出て、その他支店は支店ごと、店舗は店舗ごと、工場は工場ごとに募集が出て、パートや派遣は派遣会社ごとに募集を出している、という様に一つの会社の同じ仕事内容(グランドスタッフ)でも多方面に履歴書を送らなくてはなりません。

一般企業では、入って一ヶ月ほど各部署でのオリエンテーションがあった後、6~7月頃にどの支店のどの部署の何課になるか辞令が下ります。しかし、一般企業の新入社員と違って、グランドスタッフの場合は、応募の時点で、どの空港のどの担当か分かるため、入社1~2日目から直ぐにグランドスタッフの専門知識の授業が始まるわけです。(大手日系は国内線担当か国際線担当か入って決まる場合もあります。)

もっと詳しく言えば↓

この航空会社にはいりたい!
その場合は、
・その航空会社の本社の募集に出す。
・その航空会社の全国の各空港支店(約10ヶ所)の募集に出す。
・その航空会社のグランドスタッフ業務を受託している会社(数社)の募集に出す。
ということになります。
⇒その航空会社の世界中の空港の募集を徹底的に洗い出します。

『この空港』で働きたい!
その場合は、
・その空港に発着便のある各航空会社の「その空港支店」(2~十数社)の募集に全部出す。
・その空港で発着便のある各航空会社の「グランドスタッフ業務を受託している会社」(数社)の募集に出す。
となります。
⇒その空港の発着便の全航空会社の〇〇空港支店の募集を徹底的に洗い出します。

ちなみに、入社してみて分かった失敗例がこちら

・憧れのこの航空会社の制服が着れる!と思って入っても、手荷物関係のグループ会社に入った場合は、「グランドスタッフ用制服は着れたものの、到着口での荷物返却がメインのお仕事となり、憧れの搭乗口業務やカウンター業務やアナウンス業務はない仕事だった。」となります。

・憧れのこの航空会社の制服が着れる!と思って入っても、ハンドリング会社に入った場合は、「憧れの航空会社の業務(チェックインや搭乗口業務やアナウンスなど)を担当できているものの、制服はハンドリング会社のOLさんのような制服だった。」となります。

・憧れのこの航空会社の制服が着れる!と思って入っても、派遣の任期満了で3か月~3年で退職となった。

という事例があります。

①航空会社に入社する

ANAやJALの場合、空港チェックインカウンターや搭乗口にいるグランドスタッフのほとんどは、純粋な①番の「全日本空輸 株式会社」や「日本航空 株式会社」の職員ではありません。

ANAやJALのグランドスタッフの70~90%が、②番の「グランドスタッフ専用の”グループ会社」(例「ANA〇〇空港 株式会社」「株式会社 JALスカイ〇〇」etc.)となります。
また、地方空港の場合は、ANAやJALでも、③番の地方のグランドスタッフの会社(ハンドリング会社/委託会社)の雇用となる場合が多いです。

空港にいる純粋な①番の「全日本空輸 株式会社」や「日本航空 株式会社」の航空会社職員は、支店長や部長クラス、もしくは、グランドスタッフとして研修中のパイロット訓練生や、研修中の本社勤務の総合職の職員です。
(本社勤務の人や、パイロットや、CAさんは「全日本空輸 株式会社」や「日本航空 株式会社」の職員となります。)

また、ANAやJAL以外ではどうでしょう。
スカイマークスターフライヤーソラシドエアーエアドゥフジドリームエアラインズピーチアビエーションスプリングジャパンジェットスターなどの国内線運行航空会社の場合は、スカイマーク株式会社のようにどの空港も「100%自社直雇用のグランドスタッフ」の会社もあれば、ANAやJALのように「グランドスタッフ専用のグループ会社のグランドスタッフ」、「直雇用のスタッフ2~3人+地方ハンドリング会社のグランドスタッフ」の会社もあり、会社によってそれぞれ違っています。

国際線運行の外資系の航空会社の場合は、同じ航空会社でも更に空港によって違います。ほんの一例ではありますが、例えば同じある航空会社でも、成田は「100%自社直雇用のグランドスタッフ」だけど、羽田は「直雇用の日本人スタッフ2~3人+ハンドリング会社のグランドスタッフ」「現地直雇用の(現地語しか喋れない)外国人スタッフ2~3人+ハンドリング会社のグランドスタッフ」で、福岡は「100%自社直雇用のグランドスタッフ」で、関空は「直雇用の日本人スタッフ2~3人+ハンドリング会社のグランドスタッフ」「現地直雇用の(現地語しか喋れない)外国人スタッフ2~3人+ハンドリング会社のグランドスタッフ」の空港ごとに違う形態をとっているエアラインもあり、より一層統一感はありません。

②航空会社のグループ会社に入社する

具体的に、グランドスタッフ専用のグループ会社とは何でしょう。
例えば、全日空だと「ANA〇〇空港株式会社」「株式会社ANAエアサービス〇〇」「ANA〇〇エアポートサービス」、日本航空だと「株式会社JALスカイ〇〇」、フジドリームエアラインズだと「株式会社エスエーエス」となります。
(「株式会社JALグランドグランドサービス」は手荷物関連のグランドスタッフ)

各航空会社の懐内のグループ会社となるため、ここまでのラインが一般的に言う「航空会社の人」というくくりになります。そのため、この会社までの人が、そこの親会社の制服を正式に着用できます。

また、航空会社の職員やこのグループ会社の職員は、航空会社特有の福利厚生(EFと呼ばれる社員優待航空券)で自社便やマイレージ提携航空会社便を利用することができます。

③グランドスタッフの会社(ハンドリング会社)に入社する

地方の航空会社や地方のLCCなどは、航空会社社員がグランドスタッフとしてすべてのことを担当るするスタンスを取っていません。③番のグランドスタッフの用のハンドリング会社の職員が、複数の航空会社を代行してグランドスタッフとして働いています。

一例ではありますが、
関西空港羽田空港では、「CKTS株式会社」が、エアカナダ・エールフランス・キャセイパシフィック航空・デルタ航空などのグランドスタッフ業務を受託して担当しています。(キャセイ航空はCKTS株式会社に属している方もキャセイパシフィック航空の制服が支給されますが、その他の航空会社は、CKTS株式会社のOLさんのような制服が支給されます。)

スイスポートジャパン株式会社」は、成田空港羽田空港中部空港関西空港福岡空港那覇空港と、幅広いエリアでグランドスタッフ業務を受託しています。ほとんどの空港で、スイスポートジャパン株式会社の制服を着用されてます。

新潟空港では、「新潟空港サービス株式会社」が、ANAとJALのグランドスタッフ業務を担当しています。新潟空港サービス株式会社所属の方もANAやJALの制服を着ています。

福岡空港九州内の空港は、「西鉄エアサービス株式会社」が代行して、日本航空の一部、ジェットスター・中国東方航空・LCC各航空会社などのグランドスタッフ業務担当しています。ほどんどの方が、航空会社の制服ではなく、西鉄エアサービス株式会社の制服を着用しています。

宮崎空港では、「宮崎交通株式会社」が、ANAなどのグランドスタッフ業務を担当しています。宮崎交通株式会社所属の方もANAの制服を着ています。

④グランドスタッフ業務を取り扱っている派遣会社に入る

人手不足や突発的に臨時便が出た場合など、急遽人材が必要になった際は、派遣会社から人を雇う航空会社もいます。

その場合、募集要項には、経験者空港勤務希望者、という場合が多く、派遣会社の采配で選ばれ、助っ人として集められる場合もあります。

この場合、経験者で、できれば同じエアラインのシステム端末を触ったことがある人が優先されます。単発の臨時便の仕事の場合は、臨時便が来て折り返しで帰るとお仕事は終わりです(約1日~3日)。
人手不足で期間限定で働いてもらう場合は、人手が落ち着いてきたら契約終了となります。(約1週間~3年/時給制)

派遣は一般企業の派遣社員さんと同じで、長期で契約している人も、3ヶ月更新で、最長3年です。(2024年現在の派遣法)

外資系の場合は、意外と期間限定の派遣社員でカウンター業務の人員を補っていると事が多いです。

まとめ

乗客として外からエアラインの制服を着てる人を見ると、分からないと思いますが、チェックインしてくれたグランドスタッフは、実はその航空会社の人ではないかもしれませんし、到着地で荷物の受け取りを手伝ってくれたグランドスタッフは、実はその航空会社の人ではないかもしれません。

中には、午前中はこのエアラインの制服を着て、午後は違う会社の制服を着て・・・と、複数のカウンターで働いている人もいます。

就職活動する人は、入りたい航空会社のグループ会社委託会社発着空港など、幅広く徹底的に調べておかないと、知らないうちに応募のチャンスを逃していた、なんてこともあるかもしれません。